小さな旅

中尊寺金色堂参詣からのかっこうだんご 岩手の食を堪能

令和4年9月 秋雨の岩手県平泉町

前回の参詣は令和の時代に入る前の平成30年(2018年)。約4年ぶりに訪れました。

4年という歳月は長く感じますが、ここ中尊寺の長い歴史の間の4年間は僅かな時間です。

月見坂

 

傘の花を眺めながら、しばらく続く月見坂を懸命に登りました。

2002年には、敬愛する忌野清志郎が ツールド奥の細道 ということで、俳人松尾芭蕉が辿った旅路を自らも自転車で辿りました。もちろん、ここ中尊寺にも立ち寄りました。

その旅の様子が以前NHKドキュメンタリーで放送されたのを思い出しました。

確か、月見坂でファンの方に声をかけられて、清志郎が握手してくれて。

ファンの方、嬉しくて男泣きしていたな…。私まで嬉しくなった。

清志郎は永遠にカッコいい!

金色堂と松尾芭蕉

清志郎がツールド奥の細道で訪れた300年以上前の1689年、松尾芭蕉は弟子の曾良と平泉を訪れ、後世に残る句を詠んでいます。

金色堂 旧覆堂の傍らに、松尾芭蕉の銅像があります。

五月雨の中に佇む金色堂を詠んだ句

五月雨の 降り残してや 光堂

芭蕉が訪れた日も、雨が降っていたのでしょう。

芭蕉が見たであろう風景が、時を越えて目前に広がっていました。

旧覆堂は室町時代に建てられたそうです。

 

内部は自由に見学できます。

金色堂の不思議

金色堂は1968年からの昭和の大修理を経て、現在の佇まいとなりました。

 

金色堂の始まりは、1124年 藤原一族 初代 藤原清衡 により上棟。

平泉の観光パンフレットの写真です。

まばゆいばかりの金色。夜光貝から作られた緻密で繊細な螺鈿細工。

昭和の大改修を経て、800年前の輝きが現代にも到達しています。

そして、その内部には秘密が…。

昔は藤原家代々のミイラの記録映画が上映されていた

金色堂内部には藤原一族

初代  藤原清衡

二代目 藤原基衡

三代目 藤原秀衡

四代目 藤原泰衡

のミイラが納められているのです。

泰衡は源氏に処刑されたため、頭部だけが残っています。

40年以上前、小学生の時初めての中尊寺参詣の際、ミイラの映画が上映されていました。

とても怖くて見られない!と思ったのですが、一緒に行った大人たちの「貴重な映画だから」の説得に押され、ミイラの映画鑑賞をすることになりました。

映し出されたのは、金色堂内に収められている藤原4代のミイラが調査された際(1950年の調査でしょうか?)の記録映画のようでした。

そして、ミイラの姿は包帯ぐるぐる巻きの姿ではなく、骨と皮になった人間の姿。

亡くなった当時の姿のままで棺から出された3体のミイラが寝間着?を丁重に身体から剥がされ、調査団の先生方によって慎重に調査される映像だったと思います。

金色堂に隣接する讃衡蔵に納められている貴重な資料の中に、御遺体の副葬品があります。ミイラ調査の時の様子に思いを馳せながら拝観できると思います。

それから随分年月は流れ…子どもたちを連れての金色堂参詣の際、ミイラの映画は上映していますか?とスタッフの方に伺ったところ「平成になってからは上映していません」とのお話でした。

御朱印帳

金色堂で御朱印帳を購入すると、見開きの御朱印がいただけます。

御朱印帳も、金色堂御朱印も、その素敵さは御朱印界のトップレベルだと思います。

ずんだ餅、盛岡冷麺でエネルギーをチャージする

中尊寺の駐車場には何軒かのお土産・食事処が隣接しています。

その中の「衣関屋」というお店に立ち寄り、地元グルメを堪能。

まずは有名な「ずんだ餅」

「ずんだ餅と言ったら仙台じゃないの?」と言う人が多いと思いますが、平泉など岩手県南と、宮城県(特に宮城県北)では食の圏域が非常に近いです。

柔らかいお餅の上に、ほど良い甘さのずんだ(枝豆をすりつぶして砂糖で甘く味付けしたもの)。

食事にもなり、スイーツにもなり、あらゆる側面からの満足感を得ることができます。

続いて「盛岡冷麺」

盛岡冷麺と言えば、独特の麺の歯ごたえが特徴です。

いただいた冷麺の歯ごたえは…予想以上にモチモチ、しっかりした弾力を楽しむことができました!

フルーツは洋なしでしょうか?瑞々しい甘味がアクセントになっています。

キムチ、スープの辛さも程よくて、添えてあるキュウリ、ネギなどそれぞれの具材の調和を感じながら麺、スープとも残さずいただきました。

平泉周辺の岩手県南地区は、食の圏域が宮城県北と近く、岩手県央の特長も兼ね備えています。

海で例えると親潮と黒潮がぶつかって、豊富なお魚を獲れる場所。

豊かな食を楽しむことができます。

かっこうだんごを楽しむ

この地域の豊かな食の楽しみで、是非食べる・見る・体験することをお勧めしたいのが

一関厳美渓にある         かっこうだんご です。

「空飛ぶだんご」とも言われており、川の対岸のお店とお客さんのやりとりがロープウェイ式の「かご」を介して行われるのです。

東屋がだんごの注文場所になっています。

注文する時は、東屋に戻ったざるにお金を入れます。

木槌で板を叩いて

「お金を入れました!」

の合図をします。

かごが対岸のお店に戻り…

手元にお茶とだんごが届くというシステム!

究極の対面ではない販売方法ではないでしょうか。

手元に届いたお茶も団子も、こぼれたり、飛び出したりすることなく完璧な姿です。

一連のかごの操作は職人技です。

お茶、だんご3本(あんこ、ごま、しょうゆ)で500円。

500円でここまで楽しむことができます。

視覚、味覚ともに大満足です。

 

歴史を感じ、神仏のご加護を受け、地元岩手の美味しい食べ物でエネルギーをチャージ。

大満足の一日でした。