そうだ 菊見に行こう!
山では紅葉が美しく、人里では菊が美しく咲き乱れる季節。
「そうだ 菊見に行こう!」というワードが頭の中に降りてきました。
「現在いろいろな神社で菊見が開催されているけれど、どうせなら、とびきり素敵な菊を見てみたい」
どこに行けば良いか考えた末、菊まつり開催中の笠間の街に舞い降りました。
有料、無料の駐車場が数ある中で、一番混雑していなそうな公営笠間稲荷駐車場を利用しました。
平日の朝10:00。余裕で駐車できました。
菊香に包まれる街中
日動美術館から10分足らずの道のり、笠間稲荷神社を目指して歩きます。
街は色とりどり、いろいろな種類の菊の花でいっぱい。
まだまだ神社の手前なのに、綺麗な菊の花とその香りが至る所に溢れています。
街を歩く気分も、おのずと高揚します。
笠間稲荷神社参詣
いよいよ笠間稲荷神社到着。
笠間稲荷神社は「日本三大稲荷」の中の1つと言われています。
御祭神は 宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。
生命の根源を司る「いのち」の根の神として農業、工業、商業、水産業など、あらゆる殖産興業の守護神として人々の生活すべてに御神徳を授けて下さる神さまとのことです。
笠間稲荷神社は赤い大鳥居が目印。
きつねのオブジェと菊の花が目に飛び込みます。
鳥居をくぐると、もっと意外で美しいものが更に目に飛び込んできました!
アンブレラスカイ
菊祭りのパンフレットには「アンブレラスカイ」と書いてありました。
青空に広がる和傘!素敵な異空間です。
楼門に菊まつりの大きな看板
楼門にも菊が施されています。
楼門に掲げられた菊まつりの大きな看板。
「第115回 笠間の菊まつり」「日本最古の菊の祭典」と書いてあります。
笠間の菊祭りの始まりは明治41年(1908年)。
当時、日露戦争よって荒廃した 人々の心を和ませるため、神社に農園部を設けて菊花を展示したのが始まりで、第100回を機に 市民が参加して作り上げる一大催事へと発展しました。
笠間の菊まつりは、歴史と伝統ある催事なのですね。
花はいつの時代でも人々の心を元気にしたり、癒したりしてくれます。
世の中の出来事に心身とも擦り減ることが多い現代人も、この菊を見て元気や癒しを得ることができると思います。
無限に展開される美しい菊の世界
拝殿前に辿り着きました。
どこからともなく雅楽「越天楽」の音が恭しく聞こえてきます。
拝殿にキツネ発見!
すごい、睨みをきかせています。
社務所の奥には、可愛らしい傘と風車がありました。
風車は笠間小学校の1年生により奉納されたものだそうです。
地域の神様に見守られながら、健やかに成長していくのでしょうね。
御朱印・オマイリマンシールをいただく
期間限定の菊の御朱印をいただきました(初穂料1000円)。
10月1日から頒布されており、無くなり次第終了とのこと。
美しい菊花を背景に、金文字で笠間稲荷神社の記入があります。
「笠間稲荷神社」は直書き、「大黒天」は置き書き。初穂料各500円でした。
オマイリマンシールは御朱印を受けたらもらいました。
宇迦之御魂神がイラストになっていて、昔流行ったビックリマンチョコのシールに良く似ています!
このオマイリマンシールを授与している神社はSNSで確認できるとのこと。
他の神社のオマイリマンシールも気になるところです…。
献穀 献繭 品評会
境内では穀物と繭の品評会のコーナーがありました。
日常当たり前に身近にあるけれど、穀物や繭は貴重な自然の恵み。
生命の根源を司る神様の下の穀物・繭の品評会は、非常に厳かなものと感じます。
隅々まで見どころがいっぱい
拝殿裏の本殿
昭和63年、国の重要文化財に指定されているとのこと。
一面の木彫りが非常に緻密です。
相当な技術を持つ職人さんが関わったのでしょう。
思わず見とれます。
狐塚
本殿に隣接しています。
いろんな表情の個性豊かな狐さんたちを見てほっこり。
赤いよだれかけは、生命力の証。
さまざまな菊の展示物
なんと、菊の五重塔です!
富士山
さりげなく「茨城空港から笠間稲荷まで車で60分」のPR
手間暇かけて栽培した菊花
もう、これでもか!と言うほど、美しい菊がどこもかしこも満載でした。
キラキラ花手水
菊まつりならではの沢山の菊を豪華にあつらった花手水。
五行では水と草花の関係を「水生木」と表しますが、まさにその通りの美しさでした。
稲荷神社といったらお稲荷さん
笠間稲荷神社参詣後、近隣の食堂で地元ならではの美味しいものを発見。
普通のお稲荷さんではありません。
中身は蕎麦の「蕎麦稲荷」です!
お蕎麦と舞茸が、甘い油揚げに包まれています。
お蕎麦は甘酢?で味付けされており、油揚げとよく合っていると思いました。
お昼の防災無線の音楽は「上を向いて歩こう」
笠間稲荷神社参詣後、街の美しい菊に誘われ「かさま歴史交流館 井筒屋」に立ち寄り、改めて菊見を楽しみました。
菊を眺めていると、時刻は12:00。
天空から聞こえる防災無線のお昼を告げる音楽は
坂本九ちゃんの「上を向いて歩こう」でした。
ああ、九ちゃんは笠間市出身だったんだ…作詞の永六輔さんも亡くなってからしばらく経つなあ。六輔さん独特の楽しいお話、また聞きたいなあ…と、懐かしく、少ししんみした気持ちになりました。
また来年も行こう
美しい菊、笠間の秋を存分に味わいました。
これだけの菊を菊まつりの間、維持・管理するのはどんなに大変なことか、関係者のご苦労に思いを馳せ、ありがとうの気持ちが溢れます。
また来年も菊を見に行きたいと今から思ってしまうほど、素敵な菊祭りでした。