行き交う時の流れの中、平泉に行く
お盆に帰省したばかりですが…
既に予定されていた母の大腿骨骨頭壊死治療の手術の為、今月2回目の帰省となりました。
父も居なくなり、母の身体状況もここ数年で変化が大きい。
自分も歳を取りました。
人間誰もが生老病死に向かって、時間は留まることなく刻々と流れているのだと痛感しました。
手術前日、母を病気に連れて行き入院させました。
手術は翌日午後。
それまでの時間をどう過ごそうか…
「心配しながら過ごすよりも、安寧を求めたい…」
そう思い立ち、母の軽自動車に乗って国道4号線を北上し、平泉の神仏を訪ねる旅に行こうとしましたが…
「そんな馬力の無い軽自動車で遠出するんじゃない」
と、弟からあっけなく制止されてしまいました。
弟も、父のことや母の今回の用事対応で長いこと気の抜けない日々でした。
結局ささやかな気分転換も兼ね、弟の車で平泉に行くことになりました。
中尊寺や毛越寺は、真剣に参詣すると時間が厳しいかな…と思われたので、
中尊寺や毛越寺と同じように歴史ある場所
達谷窟毘沙門堂(たっこくのいわやびしゃもんどう)
に行くことにしました。
達谷窟毘沙門堂参詣
達谷窟毘沙門堂は中尊寺・毛越寺と厳美渓を結ぶルート上にあります。
いつも中尊寺を全力で散策した後、かっこうだんごを目当てに厳美渓に行く途中、その存在を目にするだけだったので、いつの日かじっくり訪れたいと思っていたのでした。
寺務所の道路を挟んだ向かいに無料駐車場があります。
岩手交通の達谷窟バス停もあります。
ユーミンの名曲「晩夏」が聞こえて来そうな風景が広がります…。
寺務所で拝観料(大人500円)を納めて、御朱印をお願いして鳥居をくぐりました。
お願いしていた御朱印帳は、参詣の帰りに頂きました。
- 達谷窟毘沙門堂
- 蝦蟆ケ池弁天堂
- 姫待不動明王
3つの御朱印が頂けます。
初穂料は1か所300円、合計900円でした。
毘沙門堂
鳥居をくぐり進むと…毘沙門堂が現れました。
801年、征夷大将軍の坂上田村麻呂が、ここの場所を拠点としていた悪路王(アテルイという説もある)を討伐した記念として建てられたそうです。
清水寺を模して建てられ、清水寺と同じ「懸造り(かけつくり)」という建築様式が用いられているとのこと。
断崖絶壁の下に存在する毘沙門堂の佇まいは清水寺にも似ているけど、チベット山岳部の寺院にも似ていると思います。
毘沙門堂内へ。
中は撮影禁止なので、毘沙門堂から見た風景を撮影。
夏の暑さはまだ残っていますが、風景の色は秋色に移ろっているのを感じました。
毘沙門堂内陣の前に置いてある椅子にて休息。
多くの個性的な毘沙門天像を拝むことができました。
また、毘沙門堂の中で
1,000円を備え付けの箱に納めて御札を頂いて来ました。
封筒に入っており、開封は家に帰ってからのお楽しみです。
崖に切り立つ顔面大佛
毘沙門堂の西の崖には
「顔面大仏」
が刻まれています。
前九年、後三年の役で亡くなった霊を供養するため、源義家公が馬上から弓を放ちながら彫り付けたとのこと。
光景を思い浮かべただけですごいです…。
弁天堂
毘沙門堂前には、池と弁天堂があります。
池の水鏡が、地上の風景を美しく映し出していました。
弁天堂に祀られている弁天様は女性の神様。
やきもち焼きなので、カップル揃って弁天様の前に参詣するのは止した方が良いそうです。
境内の裏手に回ります。
不動堂
パンフレットに書いてある不動堂が、基礎を残して見当たりません。
不動堂は現在修復工事中とのこと。
新しい不動堂ができた折には、再び参詣しますね。
奥に進みます。
金堂
金堂を参詣。
靴を脱いで上がると
御本尊の薬師如来が鎮座しています。
薬師如来像、左手に薬壺を持っているところが好きです。
御真言
オン コロコロ センダリマトウギソワカ
を唱え、身体健康・病気平癒を祈りました。
現在、不動堂修復工事中のため、
- 十一面観音菩薩像
- 聖観音菩薩像
が特別公開されていました。
どちらも平安時代末期のもの。
光り輝く装飾品を身に着けた聖観音菩薩像(だったと思う)の美しさが印象的でした。
金堂内撮影禁止のため、祈りをささげ、その御姿を脳裏に焼き付けました。
最強の御札 牛玉寶印
達谷窟毘沙門堂のホームページには
尖った方を上にして神棚 長押又は玄関に貼れば、惡鬼邪神を拂い福を招き、諸々の御利益が得られると言われております。
と説明されています。
今年祈願の牛玉寶印の頒布は、11月22日午後4時30分で終了とのことなので、今年中に欲しい場合は日程に注意が必要。
郵送も受け付けているので、遠方からも頂くことができるのは嬉しいです。
恭しく 最強の御札(牛玉寳印) の封筒からお札を取り出しました。
取り出したお札はインクで印刷したものではなく、和紙に墨で摺ってあります。
図柄には宝珠?と思われるものがいくつか存在します。
描かれているものの意味を、そのうち是非知りたい…。
達谷窟毘沙門堂の旅を終えて
境内をゆっくり回って所要時間は約1時間でしたが、達谷窟毘沙門堂は濃密な場所でした。
最強の御札も頂くことができて大満足。
御札はまた来年も頂きに来ます。
その時は不動堂も新しくなっているでしょうか?
また、新たな発見や不思議を求めに参詣したいと思いました。
※ 参詣の甲斐あってか、母の手術はは無事終わりました。